箱づくり法研究会
Make-a-box test battery
Study Group
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冨岡によって開発された「箱づくり法」(1978~)は、主として精神疾患における慢性期の統合失調症の患者を対象とした試案が作成され、試行錯誤を経てようやく現在の形にまとめられました。
箱づくり法の特徴として①治療構造論的な見方にたつこと、②作業遂行に必要な統合的能力の評価がしやすいこと、③基礎的な臨床技術を伝達する手段として利用しやすいこと、などが挙げられます。
検査の概要は、面接者と患者とによる1対1の作業面接場面を設定し、説明とオリエンテーションの後、必要に応じて見本や援助を提供しながら、実際に5センチ四方の箱を作成してもらうもので、時間制限はありません。その後必要に応じて休憩をはさみ、自己記入式の質問紙に回答し、最後に言語的な面接を行う一連の場面から構成されています。休憩期を含めた3つのステージにおける43項目の行動観察リスト(マニュアル)はそれぞれ5段階のレベルにより構成されています。これらの結果は4つのグラフ(下図)で表示され作業能力やパーソナリティーなどの特徴を導き出すことができます。
現在、発達障害や高次脳機能障害などにも使用され始めています。
箱づくり法とは?





箱づくり法検査に必要なキットは?
指示カード
おしぼり
消しゴム
鉛筆
はさみ
30㎝定規
指定用紙
マニュアル
水糊
第20回箱づくり法全国セミナー in 長野
日時:2025年 9月20日(土)~21日(日)
1日目:8時50分~18時30分:講義・演習
2日目:8時30分~15時00分:発表・フィードバック
まとめなど
会場:長野保健医療大学
〒381-2227 長野県長野市川中島町今井原11-1
TEL:026-283-6111(代表)
講師:冨岡詔子(信州大学名誉教授/箱づくり法研究会顧問)
その他研究会スーパーバイザー
概要はこちら ⇒
*2025(令和7)年 6月 16 日より
受付開始です!
先着20名
*受講資格は作業療法士免許をお持ちの方、かつ日本作業療法士協会所属の方に限ります。
全国セミナーのお知らせ
第19回全国セミナー参加者感想
箱づくり法の実施方法だけでなく、自分自身の内面を改めて見つめ直すことが出来、人としても少し成長することが出来たと思います。

観察項目で自分が見落としやすい箇所がわかることや自分自身の特性(自分では認識していない部分)が明確に現れると感じた。また、それらを知ることで臨床で気をつける事ができると思うのでよかった。 箱づくり法を 習得することで作業療法士としての商売道具の確立にも繋がることを学んだ。
データを元に、様々な側面から考える点が勉強になりました。その思考仮定において背景となっている概念や理論の理解も不足していたと気がつきました。臨床で何となくスッキリしなかった要因が少し見えた感じです。検査後、自分が認識していなかった点をご指摘頂き、データを元に説明受けるとしっかり理解出来ました。対象者の方にも同様に、良い悪いではなく、希望の持てる結果のお 伝えができるものなのだと学びました。
単純な作業遂行能力の評価だけに止まらず、人付き合いの特性や自己認識の具合、日頃の生活環境の中での状況など、非常に幅広く、深い所まで推し量ることができる評価であると、実感(体験)を伴って改めて学べました。作業面接の流れの中で共有した過程や事象、成果物に基づき、根拠を持った文脈として、その人を紐解いていけることに魅力を感じました。ただ同時に、どう捉えるか、どう解釈するか、どう伝えるか、どう引き出すか、といった部分は作業療法士としての腕の見せ所であり、専門性の磨き所でもあると、これからに向けて身が引き締まる思いもしました。

とても濃い2日間を 過ごすことが出来ました。中々朝から晩まで、集中してなにかに取り組むということはなかったので、そういった意味でもとても良い経験になりました。

自身が被験者になることで、箱づくり法検査がその人の特性を明確化し理解出来る検査であるとより感じることが出来ました。


